長時間労働の課題

昨年に電通、今年に入りHISや三菱電機などが労働基準法違反の容疑で書類送検され、長時間労働が社会問題としてクローズアップされています。
政府は、残業時間の上限を「月平均60時間」とするなど、新たな規制案を早ければ2019年度の施行に向け検討しています。




1. 長時間労働実態
2016年4月から9月までに長時間労働が疑われる10,059事業場に対して実施された監督指導では、労働時間の違反を指摘されたのは約4割、そのうち約8割が80時間超の残業を指摘されています。

厚生労働省 2017.1.17公表の監督指導結果より抜粋(単位:件)

重点監督実施
事業場数
法令違反法令違反の内訳
労働時間賃金不払残業その他
10,0596,659
(66.2%)
4,416
(43.9%)
637
(6.3%)
1,606
(2.6%)

労働時間
残業時間80時間以下80時間超100時間超150時間超200時間超
4,416
(100%)
966
(21.9%)
3,450
(78.1%)
2,419
(54.8%)
489
(11.1%)
116
(2.6%)



2. 企業名の公開基準の強化(2017年1月20日より適用)
労働局局長の指導・公表の対象は、社会的に影響力の大きい企業で、概ね1年間に2事業場以上で、労働時間関係違反(労働時間・休日労働・割増賃金の違反)の是正勧告を受け、かつ、次のいずれかに該当する企業です。
1) 1事業場で10人(または事業場の4分の1)以上の労働者について、1カ月当り100時間超の時間外・休日労働が認められること。
2) 1カ月当り80時間超の時間外・休日労働の場合は、労働基準監督署署長の指導後、80時間超の実態が認められること。
3) 過労死に係る労災支給決定事案の被災労働者について、1カ月当たり80時間超の時間外・休日労働が認められること。



3. 企業の取組み
長時間労働是正の主な取組みとして、「経営層から長時間労働是正へのメッセージを発信」「ノー残業デー」「時間による消灯」「有給休暇の消化」などが行われています。
取組みを定着させるには、経営層からのメッセージ、管理職の関与、職場全体で実施、規制の強化により強制的に実施することが必要な条件となっています。



お見逃しなく!
長時間労働是正の取組みには、人手不足、持ち帰り残業やサービス残業など目先の課題を解決するだけでなく、業務効率化や生産性向上などにより長時間労働となる業務環境を見直すことが必要です。
厚生労働省の統計では、有給休暇の消化率は48.7%(2015年)となっており、その消化を義務とする労働基準法の改正を目指しているようです。

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