「経営者保証に関するガイドライン」による事業承継対応

経営者保証に関するガイドライン
経営者保証に関するガイドラインが適用されて、すでに5年超が経過しました。
経営者保証に関するガイドラインは、経営者による個人保証に依存しない融資を促進することを目的として、2014年に適用され、その後、金融庁は全国銀行協会をはじめとする各金融機関関係団体等に対して本ガイドラインの周知徹底、積極的な活用を要請してきました。

代表者の交代時における対応
従来、金融機関は、経営への規律付けや信用補完に寄与する観点から経営者に連帯保証を求めることが多く、また事業承継時においては、一般的に経験や財力に乏しい新経営者が事業を承継するため、連帯保証の解除に対して消極的でした。
しかし、かかる連帯保証は、旧経営者、新経営者双方にとって重荷となり、円滑な事業承継の阻害要因となる可能性があります。
そこで、経営者保証ガイドラインでは、金融機関に対して、事業承継時に旧経営者による保証契約解除を検討すること、および新経営者による保証契約の必要性について検討することを求めています。
代表者の交代時における対応について、直近年度の状況は下記のとおりです。

「民間金融機関による経営者保証に関するガイドラインの活用実績」 (金融庁公開資料編集)

                                                                
2017年度(下半期)2018年度(上半期)
①旧経営者との保証契約を解除、新経営者との保証契約を締結せず2,444件2,735件
②旧経営者との保証契約を解除、新経営者との保証契約を締結8,831件10,391件
③旧経営者との保証契約を解除せず、新経営者との保証契約を締結せず4,740件8,572件
④旧経営者との保証契約を解除せず、新経営者との保証契約を締結9,218件5,190件
上記④のいわゆる二重徴求の件数は、2017年度下半期で約9千件でしたが、2018年度上半期では約5千件と急減しており、二重徴求の解消に向けた取組みが進んでいることが伺えます。
一方で、上記①②の旧経営者との保証契約を解除する件数は微増にとどまっています。

地域銀行に対する「経営者保証に関するガイドライン」のアンケート結果
2019年4月11日、金融庁は地域銀行に対する「経営者保証に関するガイドライン」のアンケート結果を公表しました。
本アンケートでは、事業承継時の二重徴求において、旧経営者の保証を解除できない要因として、旧経営者が引き続き代表権を持っていること、または株式を一定程度保有していることなど、実質的に経営関与していることが挙げられました。
一方で、旧経営者が実質的に経営関与していない状況の定義は各銀行によって様々であることが浮き彫りになりました。
本アンケート結果からは、各銀行によりガイドラインの活用や二重徴求の解消に向けた取組みに違いがみられ、実務面での対応の難しさが伺えます。

お見逃しなく!
民法改正の施行(2020年4月)により、第三者保証の利用が制限されます。
事業性借入を対象とする保証で経営者保証以外のものは、保証契約の締結前1ヶ月以内に、公正証書で保証債務を履行する意思を確認しなげれば、無効とされます。
役員から外れ、持株比率の下がった旧経営者については、上記公正証書ルールが適用される可能性が高いものと考えられます。

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