現安倍政権の進める「成長戦略」の1つとして国際展開戦略が掲げられております。この戦略の1つに海外市場の獲得のための戦略的取り組みとして、潜在力ある中堅・中小企業等向け海外展開支援体制の強化、海外現地における「海外ワンストップ相談窓口」の創設、我が国企業の人材の育成とグローバル化の推進などの実施があります。
1. 日本企業の海外事業の状況
2011年度の海外現地法人の経常利益総額は、10.6兆円(前年度比▲2.5%)です。また、売上高経常利益率は、5.9%(同▲0.2%)で、これは国内法人の利益水準3.3%と比較しますと海外現地法人は健闘していると言えます。
一方、これを国別かつ企業規模別に見ますと、特に中国やインドなどマーケット事情や法制度などの投資インフラが日本と大きく異なり、商慣習が独特な国では、黒字となっている現地法人は半数以下です。特に、小企業においては、大企業と比べて、日本本社から投入することの出来る人材や資金に余裕がなく、現地で必要なマーケティング活動等が十分行えず、苦戦されているケースが多くなっています。
2. 2 日本市場の中での成長戦略
茲許大幅な為替水準の円安移行により、日本国内で生産する方が却って割安になるケースも出ています。さらに、中国や東南アジアなど新興国では経済発展に伴う人件費の高騰により、安い労働力を活用するという生産モデルは通用しなくなっています。
自社の技術でどういった「新製品による新市場が切り拓けるのか」を改めて徹底的に追求し、日本市場の中でも必ず成長戦略を描けるはずです。
お見逃しなく!
いまこそ、勝手知ったるこの日本市場で、自社であれば本当に何ができるのか、どういう成功事例があるのか、まだ出来ることがあるのではないか、本当に海外に進出しないといけないのか、といったそもそもの企業としてのあり方を見直し、自社の身の丈にあった確実な成長戦略を再構築していくべき時に来ているのではないでしょうか。