住宅取得控除

住宅を購入した場合において、その翌年にはじめて住宅ローン控除を利用するときは

住宅を新築、あるいは新築の住宅を購入したとき

  1. 源泉徴収票
    勤務先で入手
    会社に勤務している、給与所得者の必要書類。
  2. 住民票
    新居の市区町村で入手、実際に購入した住居に住んでいる証明です。
    住宅ローン借入れの名義人の住民票。
  3. 住宅ローンの残高証明書
    借入先の金融機関から郵送されてきます。
    複数のローンを組んでいるときは、全ての残高証明書が必要。
  4. 確定申告書
    税務署で入手。
    住宅借入金(取得)等特別控除額の計算明細書。
  5. 登記簿
    法務局で入手。

    土地や建物の登記簿謄本(コピー不可)

  6. 契約書
    住宅を新築したときは、住宅の請負契約書のコピー。
    新築住宅を購入したときは、住宅の売買契約書のコピー。

  7. その他の必要書類
    建築条件付で住宅を購入したときは、これを証明する書類。
    長期優良住宅を新築、購入したときは、これを証明する書類。

中古住宅を購入したとき

1)源泉徴収票
2)住民票
3)住宅ローンの残高証明書
4)確定申告書
5)登記簿
6)契約書:中古住宅の売買契約書のコピー。
7)その他の必要書類:購入先で入手

※上記1~5の必要書類は、上記の住宅を新築、購入した場合と同じ。

中古住宅を購入した日を基準にして、耐火建築物で築25年、非耐火建築物で築20年を超える住宅は、住宅性能評価書のコピーか耐火基準適合書のどちらか1つが必要書類となります。

住宅取得控除についての基本知識

適用条件

  • 新しく取得した住宅に居住した年、その前年、前々年において前の住宅を譲渡し、3,000万円特別控除」や「買い替え特例」などの適用を受けていないこと

[注意点]
簡単に言うと、「購入年とその前後2年間において、上記の控除や特例を利用していないこと」ということです。二次取得者についての内容となりますので、初めて住宅を購入される人は、直接、関係ありません。

  • 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円(年収換算で約3,336万円)以下であること

[注意点]
退職金など一時的に多額の収入があり、その年1年間の合計所得(≠年収)が3,000万円を越えてしまうと、その年はローン控除が受けられなくなります。この1年分は繰り延べされませんので、本来であれば10年間受けられる控除が9年、8年…と合計所得が3,000万円を超えるたびに適用年数が少なくなる、ということです。自己の合計所得金額が3,000万円を超える年分(のみ)は、控除が受けられないとご理解ください。

  • 償還期間10年以上とする、以下等からの借入金を有すること

    ・銀行(フラット35を含む)
    ・信用金庫、信用組合、農協、漁協
    ・地方公共団体、各種公務員共済組合
    ・生命保険会社、損害保険会社
    ・貸金業を行う法人、宅建業者、建設業者
    ・勤務先(社内融資)

[注意点]
気をつける点は「勤務先」から社内融資を受けた場合、金利が1.0%未満であると会社から利子補給を受けていると見なされるため、控除対象から外されてしまう点です。銀行や住宅金融支援機構など、民間や政府系機関からの融資であれば、たとえ金利が1%未満でも住宅ローン減税の対象外にはなりません。ご安心下さい。あくまで社内融資の場合だけです。

  • 取得後6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること なお、居住の用に供する住宅を2以上所有する場合は、「主として」居住の用に供する1つの住宅に限られる ※「取得」とは「引渡し」を意味し、「契約」ではありません。取得日=引渡し日≠契約日

[注意点]
当該制度は「自宅促進」のための税制ですので、投資目的や別荘などを取得するためのローンには適用されません。自分で住むためのマイホームでなければ控除の対象になりません。

  • 床面積が50m²以上で、その2分の1以上を居住の用に供していること

[注意点]
まず、床面積には2種類あることから説明します。マンションなどの耐火建造物はコンクリートで覆われていて、そのコンクリートには約10~15cmの厚みがありますが、床面積を計算する時に、コンクリートの厚みの「中心線」を基準に測定した面積のことです。部屋の角(かど)に柱が出っぱっていても、床面積に含まれます。

コンクリートの厚みの中心線ではなく、壁の内側(室内側)を基準に測定した面積です。実際に使用可能な面積となります。そして重要なことは、住宅ローン控除の基準になる床面積は後者の登記簿の面積となります。つまり、パンフレットの面積が50m²以上でも、登記簿面積が50m²以上あるとは限らず、そのため、せっかくの住宅ローン控除が受けられなくなるケースがあり得るのです。

※中古物件は登記簿で(登記簿)専有面積を実際に確認することができます。

さらに、登記簿の面積が確定するのが実際に建物が完成した後なので、契約時には正確な登記簿面積はわかりません。そこで、パンフレットの面積が50m²ちょっとという場合は、可能であればもうひと回り広い間取りにすることをおすすめします。また、戸建住宅(2階建て以上の場合)やメゾネットタイプのマンションは、各フロアすべてを合計した延べ床面積がローン控除の対象面積となります。

【ケーススタディ】
マンションを購入しましたが、登記簿面積49m²の専有部分(居宅)と、廊下をはさんでトランクルーム(附属の建物)2m²から成っています。この場合はローン減税を受けることは可能でしょうか?

【回答】
税務署は登記簿を基準に面積要件を確認します。お住まいのマンションの登記簿「表題部(専有部分の建物の表示)」の居宅部分が該当専有部分となりますので、同部分の面積が50m²未満の場合は残念ながら住宅ローン減税の対象外となります。トランクルームは、荷物を置くスペースで人が住むためのものではないためです。

  • 中古住宅の場合:非耐火建築物(木造住宅など)は取得日時点で築20年以内、耐火建築物(マンションなど)は同25年以内であること。あるいは、「新耐震基準を満たすことの証明書」が取得済みの住宅であること さらに、2013年度税制改正により、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入していれば築年数を問わないこととなりました。築25年超のマンションでも築20年超の木造住宅でも住宅ローン控除が適用されます。ここでいう「築年数」の起算日は、登記簿によって確認することができます。マンション登記簿「表題部(専有部分の建物の表示)」欄の【原因およびその日付】部分に、当該マンションが新築された日が具体的に記載されております。税務署は「築20年」あるいは「築25年」要件を上記、新築された日によって判断します。

[注意点]
「新耐震基準を満たすことの証明書」は、売り主によって同証明書が“事前”に取得されている住宅を購入する場合、築年数に縛られず、住宅ローン減税を受けることができます。取得後に買い主が自身によって証明書を取得しても、住宅ローン減税は適用になりませんので、ご注意ください。

  • 生計をともにする配偶者(婚約者を含む)や親族から取得した住宅でないこと
  • 給与所得者が使用人である地位に基づいて、家屋または敷地を時価の2分の1未満の価格で譲り受けていないこと
  • 一定の条件に当てはまれば、自宅のリフォームも控除の対象になる

[注意点]

(I)は意外と忘れがちな点でしょう。主な条件は、以下の6つです。
・自ら所有している住宅で、「大規模な修繕・模様替え」に相当するリフォームを行っていること
・償還期間10年以上のリフォームローンを組んでいること
・しかも、その2分の1以上の金額を居住用部分のリフォームに使っていること
・工事費用が100万円を超えていること (工事費用が100万円を越えていれば、ローン残高が100万円以下でも控除の対象になります)
・増築の場合は、増床した面積を含めて増床後の合計床面積が50m²以上になること
・増改築してから6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること

問題となるのは、どの程度のリフォームが「大規模な修繕・模様替え」に相当するかという点です。目安としては、「間仕切り壁を除く家屋の壁、柱、床、梁(はり)、屋根、階段のいずれか1つ以上について行う過半の修繕」が挙げられていますが、判断が難しいことも多いようです。

※実際、減税の対象となるかどうか心配な方は、最寄りの税務署に問い合せるのが一番です。

【ケーススタディ】
父親が所有する(100%父親名義)一戸建てのリフォームを息子がローンを組んで行ったとしても、住宅ローン減税は受けられません。「自分で所有している」要件から外れるからです。どうしてもローン減税を受けたいのであれば、リフォーム前に建物の名義を父親から子供へ移転すれば所得税の還付が受けられます。ただし贈与税の心配がありますので、ご注意ください。

  • 認定長期優良住宅の特例を適用する場合は、認定長期優良住宅であると証明されたものであること
  • 認定低炭素住宅の特例を適用する場合は、認定低炭素住宅であると証明されたものであること

受け取れる控除額

年末ローン残高は金融機関から送られてくる「住宅借入金等の年末残高計算明細書」から転記し、上表の控除率を掛ければ計算できます。ただし、当控除で受けられる減税額はその人が納めた納税額(所得税と住民税)が限度で、自分が支払った以上の税金は戻りませんので、ご注意ください。2人以上の共有名義でローンを組んでいる場合は、「年末のローン残高」と「確定申告をする人の持分に見合う取得金額」のいずれか少ない額に、居住部分の割合を掛けた額を計算上のローン残高とします。

<例>Aさんの住宅ローン控除の計算例
   マイホーム取得金額:3,000万円
   Aさんの持分比率:90%(奥様が10%)
   家屋の床面積のうち、居住用部分の割合が80%
   ① 持分に見合う取得金額:3,000万円×90%=2,700万円
   ② 年末のローン残高:2,500万円
   ① ②のうち、少ないほうの金額は:2,500万円
   計算上のローン残高:2,500万円×80%=2,000万円
   受け取れる住宅ローン控除額(初年分):2,000万円×1%=20万円

「連帯債務者」と「連帯保証人」を理解しましょう

いまでは共働き夫婦は珍しくなくなり、住宅取得時に収入合算して住宅ローンを組むことも日常化しています。収入合算は単独で融資条件をクリアできない場合、あるいは、借入額をさらに増やしたい場合に有効な手段となります。実質賃金が伸び悩む中にあって、利用価値の高い返済プランといえます。しかし、収入合算して住宅ローンを組んだ場合、一方の合算者が「連帯債務者」になるか「連帯保証人」になるかで住宅ローン減税の適否が完全に異ってきます。

連帯債務とは、ご主人と奥さんがそれぞれ独立して全部の給付をなすべき義務を負うことです。お互いが各債務者となり、夫婦1人ひとりが住宅ローンを背負う仕組みです。一方、連帯保証とは保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担することを意味します。夫婦で収入合算してローンを組んだとしても、直接的に返済義務を負うのは主たる債務者であるご主人だけとみなされ、奥さんは保証人(×債務者)としての位置付けになります。

その結果、連帯債務の関係であれば、ご主人も奥さんも持分割合に応じた税還付が受けられるのに対し、連帯保証の関係では直接的に返済義務を負うのはご主人だけとして金融機関が扱うため、住宅ローン減税の適用対象はご主人のみとなります。たとえ収入合算していても、いっさい奥さんは税還付されません。まさに「連帯債務者」と「連帯保証人」は似て非なりなのです。

減税効果を最大限に受けるためには、住宅ローンの本契約前に「連帯債務者」となるのか「連帯保証人」となるのか事前に確認する周到さが欠かせません。

住宅ローン控除は夫婦で利用した方がお得なのか?

住宅ローン控除は税額控除であり、年末のローン残額の1%が所得税額より控除される。控除金額の上限は40万または20万。

夫婦でそれぞれが住宅の所有権を持ち、住宅ローンを組んだ場合、所有権の割合に比例して、二人とも住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を使う事ができます。場合によってはお得な利用方法になり得ますが、保証料その他諸費用のかかり方が変わる可能性があるので、お得に使えるとは限りません。夫婦それぞれがローンを組む場合と、片方だけの比較をすることが必要です。なにより、ローン、つまり借金を誰がするのか?というリスクの問題でもあるので、お得な場合もよく考えることをお勧めします。その上で、比較をお勧めするのは、次の様な場合です。

・控除金額が所得税から引ききれない時
例えば、夫の所得税から30万控除されるのと、夫婦それぞれから15万控除されるのでは、金額に違いはありません。しかし、30万円を控除するためには、控除される年間の所得税の合計が30万以上なくては、控除できないですよね?引き切れない分は、翌年の個人住民税から引かれますが、別途上限があります。上限以上は引かれないので、控除額が無駄になってしまう、とも言えます。この場合、夫婦それぞれから15万控除したほうがお得な可能性もありますね。年末残高の1%より、所得税等の額が少なくなる場合は比較をしてみると良いでしょう。

・個人住民税から引かれる上限
特定取得(消費税がかかる物件)の場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(136,500円を限度)

特定取得に当たらない場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円を限度)

・控除金額が上限を大きく超える時
控除金額は年末残高の1%ですが、上限(40万または20万)があるのは既に知っていますよね?この上限について、夫婦それぞれで控除を利用することで、各自上限までの控除を受ける事ができます。

例えば、夫一人でローンを組んで年末残高×1%が50万となり、上限によって控除額は40万円になったとします。この時夫婦それぞれがローンを組み、年末残高×1%が、夫30万、妻20万の場合、それぞれ上限内のため、合計50万円が控除される可能性があります。かなり高額なローンを組む場合や、特定取得で上限が20万円の場合など、年末残高の1%が上限(40万または20万)を大きく超える事が考えられる場合も、比較をお勧めします。

・夫婦で住宅ローンを利用する場合の注意点
夫婦で住宅ローン控除の利用を考える場合は、事前に金融機関に利用が可能か確認しましょう。

大前提としてローンを組めるのか?保証金など諸費用について確認する事はもちろん、夫婦で住宅ローンを組む場合、連帯債務、単独債務、収入合算といくつかのパターンがあり、どちらかだけしか住宅ローン控除を適用できない場合もあるため注意が必要です。

・夫婦で住宅ローン控除の利用を考えるとき
住宅ローン控除は夫婦で利用することもできます、お得な場合もありますが、それぞれの事情によるので、比較をして考えることが大事。夫婦での利用を考えている場合は事前に金融機関に確認しましょう。

・控除を受けるために必要な書類
最後に、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を実際に控除を受けるために必要な書類についてご説明します。

1年目に確定申告が必要、というのは説明しましたが、確定申告時はいくつかの添付書類が必要になります。新しい家に引越をして、荷物がめちゃくちゃになるその前に、後で何が必要か確認してから片付けましょう!

長期優良住宅の認定を受けた住宅の住宅ローン控除優遇制度

長期優良住宅の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の内容

居住年:平成26年4月1日~平成33年12月31日
住宅の種別 一般の住宅 長期優良住宅
控除対象借入限度額 4,000万円(2,000万円) 5,000万円(3,000万円)
控除期間 10年間
控除率 1.0%
最大控除額 400万円(200万円) 500万円(300万円)
年間控除額 40万円(20万円) 50万円(30万円)

消費税8%または10%適用の場合の額であり、それ以外の場合は( )内の額。

長期優良住宅の住宅ローン控除 最大控除額の優遇

住宅ローン控除は、金融機関等から返済期間10年以上の住宅ローンを組んで住宅の新築・取得又は増改築等をした場合に、居住の年から10年間、住宅ローン残高の一定割合を所得税額から控除する制度です。 長期優良住宅は一般の住宅よりも優遇されており、最大控除額が一般住宅よりも大きく設定されています。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とはその構造及び設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことをいいます。長期優良住宅建築等計画を作成し、市町村による認定を受けることによって税の優遇制度を受けることができます。

所得税から控除しきれない額は住民税からも控除

当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額(住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額)を控除した際に、残額がある場合については、 翌年度分の個人住民税において、当該残額に相当する額が、以下の控除限度額の範囲内で減額されることになります。
住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税の税率によって控除額が異なります。

住民税の控除額

適用期間(居住年):平成26年4月1日~平成33年12月31日
消費税率 控除限度額
消費税8%または10%が適用の場合 所得税の課税総所得金額等×7%
(最高13.65万円)
上記以外の場合 所得税の課税総所得金額等×5%
(最高9.75万円)

長期優良住宅として住宅ローン控除を受けるための主な要件

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
  • 床面積が50m²以上であること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 借入金の償還期間が10年以上であること
  • 合計総所得金額が3,000万円以下であること
  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書を取得していること

住宅控除額のシミュレーション

借入金額が3,500万円以下の場合

以下は、3,500万円以下の借り入れをした場合の控除額の総額(所得税+住民税)を年収別に比較したものです。
平成26年4月以降の入居の場合は、最大控除額が一般住宅400万円に対し、長期優良住宅が500万円となりました。しかし、以下からわかるように、一般住宅の最大控除額が400万円と十分に大きいため、この借入価格帯では一般住宅と比べて長期優良住宅のメリットがないことがわかります。

年収600万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 208万円 220万円 220万円
長期優良住宅 171万円 208万円 220万円 220万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収700万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 214万円 253万円 272万円
長期優良住宅 171万円 214万円 253万円 272万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収800〜1,000万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 2,000万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
一般の住宅 171万円 214万円 256万円 299万円
長期優良住宅 171万円 214万円 256万円 299万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

以上から、年収がどんなに高くても借入額が4,000万円以下では、一般住宅と比べて長期優良住宅のメリットがないことがわかります。

借入金額が4,000万円以上の場合

次に、4,000万円以上の借り入れをした場合の控除額の総額比較を見てみます。年収が900万円以上あり、借入額が4,500万円程度になると、長期優良住宅の控除額のメリットが出てくることになります。 なかなか、庶民派にはなじまない数字ですね。

年収800万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 332万円 347万円 350万円 350万円
長期優良住宅 332万円 347万円 350万円 350万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収900万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 342万円 376万円 393万円 400万円
長期優良住宅 342万円 385万円 427万円 457万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

年収1,000万円の場合

長期優良住宅の住宅ローン控除総額一覧(平成26年4月以降入居の場合)
借入額 4,000万円 4,500万円 5,000万円 5,500万円
一般の住宅 342万円 376万円 393万円 400万円
長期優良住宅 342万円 385万円 428万円 464万円

試算条件:扶養家族3人(配偶者+16~18才子2人)、金利2%、返済期間30年、元利均等返済

認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)

概要

認定住宅新築等特別税額控除とは、個人が、

長期優良住宅等の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のもの(以下「認定長期優良住宅」といいます。)の新築又は建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をした場合において、平成21年6月4日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供したとき

又は、

都市の低炭素化の普及の促進に関する法律に規定する低炭素建築物に該当する家屋若しくは同法の規定により低炭素建築物とみなされる特定建築物に該当する家屋で一定のもの(以下「認定低炭素住宅」といいます。)の新築又は建築後使用されたことのない認定低炭素住宅の取得をした場合

において、平成26年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供したときに、一定の要件の下で、認定長期優良住宅と認定低炭素住宅(以下「認定住宅」と総称します。)の認定基準に適合するために必要となる標準的なかかり増し費用の10%に相当する金額を、原則としてその年分の所得税額から控除するものです。控除額の計算は3(2)を参照してください。
また、認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例を適用する場合には、その認定住宅の新築等についてこの認定住宅新築等特別税額控除は適用できません。

◎個人が認定住宅の新築又は取得をした場合で、認定住宅新築等特別税額控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。
(注)この認定住宅新築等税額控除は、「居住者」が認定住宅の新築又は取得をした場合、又は「非居住者」が平成28年4月1日以降に認定住宅の新築又は取得をした場合に受けることができます。
(1) 認定住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定住宅の取得であること。
(2) 新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供していること。なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
(3) この税額控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
(4) 新築又は取得をした住宅の床面積が50m²以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(注)この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。
イ 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
ロ マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
ハ 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
ニ 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
(5) 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3)及び居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35)の適用を受けていないこと。

認定住宅新築等特別税額控除の控除期間及び控除額の計算方法

(1) 控除期間は、居住年のみです。ただし、以下のいずれかに該当する場合は居住年の翌年の所税の額から控除未済税額控除額(居住年に控除しきれなかった残額をいいます。)を控除することができます。
イ 居住年の所得税の額から控除してもなお控除しきれない金額がある場合
ロ 居住年において、確定申告書を提出すべき場合及び提出することができる場合のいずれにも該当しない場合
(2) 認定住宅の控除額の計算
イ 控除額は、認定住宅の認定基準に適合するために必要となる標準的なかかり増し費用の10%です。(算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます)

居住の用に供した年 対象となる認定住宅 標準的なかかり増し
費用の限度額
(認定住宅限度額)
控除率
平成21年6月4日から
平成23年12月31日
まで
認定長期優良住宅 1,000万円 10%
平成24年1月1日から
平成26年3月31日
まで
認定長期優良住宅 500万円 10%
平成26年4月1日から
平成31年6月30日
まで
認定長期優良住宅、
認定低炭素住宅
650万円 10%

(注)上記の認定住宅限度額は、認定住宅の新築等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額をいいます。以下同じ)のうちに、8%又は10%の税率により課されるべき消費税額等が含まれている場合であり、それ以外の場合の認定住宅限度額は500万円となります。

ロ 認定住宅の標準的なかかり増し費用とは、次の通りです。
(イ) 平成26年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合(対象は認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅)認定住宅の構造の区分にかかわらず、1m²当たり定められた金額(43,800円)に、その認定住宅の床面積を乗じて計算した金額をいいます。
(ロ) 平成21年6月4日から平成26年3月31日までの間に居住の用に供した場合(対象は認定長期優良住宅)認定長期優良住宅の構造の区分ごとに、1m²当たり定められた金額(下表参照)に、その認定長期優良住宅の床面積を乗じて計算した金額をいいます。

構造の区分 床面積1平方メートル当たりの標準的なかかり増し費用の額
木造・鉄骨造 33,000円
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 36,300円

認定住宅新築等特別税額控除の適用を受けるための手続

認定住宅新築等特別税額控除の適用を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
(1) 居住年に認定住宅新築等特別税額控除を適用する場合
イ 認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書
ロ 住民票の写し(平成28年1月1日以降に自己の居住の用に供した場合は不要です)
※住民票の写しの添付に当たっては、個人番号が記載されていないものを添付してください。
ハ その家屋に係る長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
なお、長期優良住宅建築等計画の変更の認定を受けた場合は変更認定通知書の写し、控除を受ける方が認定計画実施者の地位を承継した場合には認定通知書及び承継の承認通知書の写しが必要です。
(注) 認定低炭素住宅のうち低炭素建築物の場合は、その家屋に係る低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し(低炭素建築物新築等計画の変更の認定を受けた場合は変更認定通知書の写し)が必要です。
ニ 住宅用家屋証明書若しくはその写し又は認定長期優良住宅建築証明書
(注) 認定低炭素住宅のうち低炭素建築物の場合は、住宅用家屋証明書若しくはその写し又は認定低炭素住宅建築証明書が必要です。また、認定低炭素住宅のうち低炭素建築物とみなされる特定建築物の場合は、低炭素建築物とみなされる特定建築物であることについての市区町村長による証明書が必要です。
ホ 家屋の登記事項証明書、工事請負契約書の写し、売買契約書の写しなどの次に掲げる事項を明らかにする書類
(イ)家屋の新築又は取得をしたこと
(ロ)家屋の新築又は取得をした年月日
(ハ)家屋の新築又は取得に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等のうち、8%又は10%の税率により課されるべき消費税額等の有無(平成26年4月1日以後の居住分に限ります) (注) 家屋の新築又は取得に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等が8%又は10%の消費税及び地方消費税の税率により課されるべき消費税額等(以下「新消費税額等」といいます)と新消費税額等以外の額の合計額から成る場合には、その対価の額又は費用の額並びにその対価の額又は費用の額のうち新消費税額等に対応する部分の額及び新消費税額等に対応する部分以外の部分の額も明らかにする必要があります。
(ニ)家屋の床面積が50平方メートル以上であること
(注) 平成26年3月31日以前の居住分については、家屋の認定通知書又は変更認定通知書に2以上の構造が記載されている場合(その構造等に係る標準的なかかり増し費用が異なる場合に限ります)は、その構造ごとの床面積も明らかにする必要があります。
へ 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
(2) 居住年の翌年の所得税の額から控除未済税額控除額を控除する場合
イ 認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書
ロ 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
(注) 居住年において、確定申告書を提出すべき場合及び提出することができる場合のいずれにも該当しないときは(1)に掲げる全ての書類が必要です。

注意事項

認定住宅新築等特別税額控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても、認定住宅新築等特別税額控除を適用することになり、住宅借入金等特別控除との選択替えはできませんのでご注意ください。なお、認定住宅新築等特別税額控除を適用しなかった場合も同様です。

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