税理士コラム

令和3年 年末調整 税制改正のポイント

国税庁から令和3年度税制改正に関する「源泉所得税の改正のあらまし」が発表されました。
2021年(令和3年度)の年末調整が税制改正によって、これまでよりも手続きが簡素化します。
昨年ほどの大幅な変更はありませんが、改正部分4点をご紹介させていただきます。

変更点1. 税務関係書類への押印義務の見直し

政府が主要政策として掲げている「行政のデジタル化推進」に伴い、2020年後半に行政手続きの押印廃止が発表されました。
この影響により、税務署長等に提出される申告書等(税務関係書類)についても、令和3年4月1日以降、原則「押印が不要」となりました。
例えば、年末調整の「給与所得者の不要控除等(異動)申告書」では、氏名フリガナを記載した横に押印する義務がありましたが、この押印の印が削除されます。

変更点2.年末調整電子化に伴う税務署への事前申請の廃止

これまでは、年末調整申告書を従業員から電子データで回収する場合、事前に税務署へ「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、承認を受ける必要がありました。
今回の改正では、次の申告書に関して、2021年4月1日以降に提出する分から事前承認が不要となりました。
・給与所得の扶養控除申告書
・従たる給与についての扶養控除申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・住宅ローン控除申告書
・所得金額調整控除申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

※年末調整を電子化するにあたり、システム準備が必要となります。
準備ついては、下記国税庁の案内をご参照いただけますと幸いです。

年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するFAQ

変更点3. 住宅ローン控除の特例の見直し(要件緩和・期間延長)

消費税率の引き上げや新型コロナウイルス感染対策により、住宅に対する税制上の支援措置として創設された「控除期間13年の特例措置」について、さらに期間延長がされることになりました。
適用対象となるのは、以下の契約期限および入居期限を満たす場合となります。

契約期限:
(注文住宅)2020年10月~2021年9月
(分譲住宅等)2020年12月~2021年11月

入居期限:2021年1月1日~2022年12月31日

またこの特例では、「合計所得金額1,000万円以下」の方についてのみ、面積要件が50m2から40m2に緩和されます。

変更点4. 退職所得課税の見直し

この計算は令和4年分以後の所得税に適用されるため、 2022年1月1日以降に支払った退職手当等で適用されることとなります。
2021年の年末調整には直接関係はありませんが、年末調整後の時期から適用となるため、ご留意ください。

これまで「退職所得金額」は、退職手当等の金額から勤続年数に応じて計算した「退職所得控除額」を控除した残額の1/2相当とされていました。
今回の税制改正により、勤続年数5年以下の従業員が(役員以外の立場で)受け取る退職手当等 (=短期退職手当等)について、次の通り区分に応じて計算式が示されました。

(収入金額―退職所得控除額≦300万の場合)
収入金額 +{収入金額 -(300万円 + 退職所得控除額)}= 退職所得の金額

今回割愛しますが、収入金額―退職所得控除額≧300万の場合は計算式が異なります点も
ご留意ください。

荒川区の税理士 永瀬事務所では年末調整対応も行っております。
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