税理士コラム

補助金等に関する注意事項について

新型コロナウイルス感染症の拡大や九州地区での集中豪雨災害などにより、政府や地方公共団体から休業支援金・持続化給付金、災害復興補助金など様々な公的支援金・補助金の制度が準備され、実際に給付が行われる環境となっています。
ただし、このような公的資金には利用するうえで共通する注意点があるため、この点をとりあげます。
補助金適正化法について国が交付する補助金・給付金等については、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(以下、「補助金適正化法」とします。)が適用されます。
都道府県等の地方公共団体から交付される補助金等については、補助金適正化法の直接の適用は受けませんが、都道府県等が独自に定める交付規則・要綱等において、同様の定めを置いている場合が一般的です。
補助金適正化法上の注意点についてこれらの補助金等は、その支給原資が国民から徴収された税金であり、公的な資金であることから、「補助金適正化法」において厳格な取り扱いが定められています。
注意点をまとめると、次のとおりとなります。

補助金適正化法注意点
第 11 条(目的外使用 の禁止)補助事業者等は、補助金等の交付決定の内容に従って、善良な管理者の注意をもって補助事業等を行わなければならず、補助金等を他の用途に使用して はならない。
第 14 条(実績報告)補助事業等が完了したときは、補助事業等の成果を記載した実績報告書を提出しなければならない。
第 17 条及び第 18 条 (補助金等の交付決定の取消し及び返還命令)補助事業者等が補助金等の他の用途への使用をし、補助金等の交付決定の内容に違反したときは補助金等の交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。 この場合、既に補助金等が交付されているときは、国から返還が命じられる。
第 22 条(財産処分の制限)補助事業等により取得した財産は、補助金等の交付元の承認を受けずに補助事業等の交付目的に反して使用、譲渡、貸付、担保提供してはならない。このため、例えば補助金で固定資産を取得し、その耐用年数到来前に当該固定資産を補助金交付元の承認を得ずに売却した場合には補助金の返還を求められる可能性がある。

お見逃しなく!

補助金適正化法やこれらに準じた交付規則等が適用される補助金・給付金等は、一定の政策目的・助成目的を達成するために交付される性質から、目的外使用を禁止しており、目的外使用や交付条件を満たさずに受給した場合には返還を求められる可能性があります。
実務においては、補助金等の交付決定通知日以降の支出であることが補助条件であるにもかかわらず、交付決定通知日前の支出を誤って補助対象として申請し、後日返還を求められるケースや、補助金により取得した固定資産を耐用年数到来前に補助金交付元の承認を得ずに売却し、後日補助金等の返還を求められるケースが見受けられますので、公的な支援制度を活用する際には補助金等の交付条件が記載された交付決定通知書の内容を良くご確認頂くよう、ご留意下さい。

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