税理士コラム

テレワーク・在宅勤務における人事評価

目下の状況を踏まえ、テレワーク・在宅勤務導入の動きが広がっています。物理的な距離が広がる中で、目の前にいない部下を上司はどのように評価すればよいのでしょうか?
従来の人事評価に関する考え方を再検討する機会が訪れているのかもしれません。

人事評価の目的

人事評価の目的として、貢献に応じた処遇、ということはまず考えられます。処遇のためだけではなく、上司と部下のコミュニケーションツールとしての側面もあります。
適正な評価行動を行う過程で社員の能力向上を期待することができ、会社が期待する成果や行動について話し合う格好の場となります。
適切な評価制度を通じて社員が成長し、高いモチベーションで仕事に取り組めば、会社の業績向上にもつながります。

人事評価の要素

どのような項目を評価の対象とするか?評価基準要素の主なものとして、以下が挙げられます。

⚫ 情意評価:仕事に対する取り組みの姿勢。規律・責任・強調など。
⚫ 成績(成果)評価:仕事の出来栄え。スピードなど質的側面や量的側面。
⚫ 能力評価:業務遂行に必要な知識や技能、その他提案・改善力など。
⚫ 業績評価:売上目標の達成度など成果の測定。
⚫ 職務・役割評価:遂行すべき職務、果たすべき役割の達成度合い。
⚫ コンピテンシー:成績優秀者の行動基準レベルを記載したもの。いわばプロセスの評価。

多くの会社で評価制度の一つとして採用されている目標管理は、成績評価あるいは業績評価として使用されることがあります。

テレワーク・在宅勤務における人事評価

評価基準要素は、会社が評価の目的として何を重要視するかにより取捨選択します。
業績評価は、通常数値での測定となるため営業職の評価においてよく取り入れられます。
テレワーク時の評価においても取り得る選択肢です。職務・役割評価は内容の工夫次第で有用なものとなり得ます。 目の前にいないとやりづらいのが情意評価です。特に年次が浅い社員には必要な要素であり、この点で効果を発揮するにはある程度の自立性を要するテレワークと相性が悪いのは当然ともいえます。見方を変えるとテレワークは、遅い時間まで頑張っている(ように見える)など、本当の実力を覆い隠すような行動を安易に評価するというマイナスの側面を排除する良いきっかけになるのかもしれません。
テレワークとオフィスにおける業務いずれの形を選択しても不公平感を生まない評価制度を検討することが今後必要になってくると思われます。

お見逃しなく!

人事評価の分野においてもITは活用できます。
例えば業績評価はエクセルでの管理が一般的ですが、これをより効率的に管理するシステムが発表されています。また、コンピテンシーや目標管理についても同様にHRテクノロジーの一環として複数のシステムが開発・発表されています。

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