税理士コラム

中古資産の耐用年数と機械等の償却単位

コロナ禍で業態変革がおこなわれるなか、中古車や中古機械等の取得が増えてきています。
中古資産に適用する耐用年数や、機械等の償却単位についての取扱いはつぎのとおりです。

1,中古資産の耐用年数

中古減価償却資産の償却耐用年数はつぎの年数を選択適用します。

① 法定耐用年数・・・通常の維持補修を加えることを前提としてその本来の用途用法により使用される場合に通常予定される効果をあげることができる期間として税務上定められた年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 )
② 見積による耐用年数・・・中古資産をその事業の用に供した時以後の使用可能期間の年数として合理的に見積もられる年数(耐令3①一)。
③ 簡便法耐用年数・・・上記②の耐用年数を見積もることが困難な場合、資産の区分に応じて、 それぞれつぎの算式に定める年数(2年に満たない場合、2年)によることができる。(耐令3①二)。ただし、支出した資本的支出の金額がその減価償却資産の取得価額の 50%に相当する金額を超える場合は上記①の方法による(耐令3①ただし書)。

1). 法定耐用年数の全部を経過した資産・・・法定耐用年数×20%=残存耐用年数
2). 法定耐用年数の一部を経過した資産・・・ (法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%=残存耐用年数(1年未満の端数切捨て、年数が2年に満たない場合は2年とする)

2,機械等の償却単位

機械等の償却単位の決定方法には注意が必要です。個別の機械として償却するのか、工場設備を一体として総合償却するのかによって償却単位や適用する耐用年数が異なります。

①個別償却・・・・通常採用される償却方法で、個々の資産ごとに減価償却計算を行う。中古資産を取得した場合には、個々の資産ごとに上記 1.の耐用年数を選択適用して減価償却計算を行う。
②総合償却・・・耐用年数表(別表第二)により、当該資産個々ではなく、一の設備を構成する1つの償却単位として共通の耐用年数により減価償却計算を行う。中古の総合償却資産を取得した場合の例外的な償却方法として、設備全体の再取得価額の30%以上について中古資産を一時に取得した場合に限り、総合耐用年数を見積もって、その一時に取得した中古資産について見積耐用年数または簡便法耐用年数にて償却することができる(耐通 1-5-8)。

3,注意点

一般的に、中古資産=簡便法による見積耐用年数の適用が可能と考えられがちです。しかし、機械等の場合は、「設備」の単位により判断します。生産の目的・方法,各資産の内容・用途,各資産相互の関係を踏まえた上で,当該各資産が連携して,集団的に生産手段として用いられているか否かを考慮して判断する必要があります。
2021年3月30日に東京地裁において、製造業を行う法人の設備の一部を構成する中古資産については簡便法の使用を認めず、法定耐用年数によるべきであるとの判決が出ました。機械等の総合償却資産の場合には、耐用年数の見積り可否を行ううえで、「設備の単位」を合理的に決定する必要があります。

荒川区の税理士 永瀬事務所では中古資産に適用する耐用年数や、機械等の償却単位についてのご案内も可能です。
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