国税庁から令和5年度税制改正に関する「源泉所得税の改正のあらまし」が発表されました。大幅な変更はありませんが、改正部分3点をご紹介させて頂きます。
- 住宅ローン控除の控除率、適用期間の変更
- 非居住者である扶養親族の適用範囲の変更
- 退職手当を有する配偶者・扶養親族欄の追加
1.住宅ローン控除の控除率、適用期間の変更
住宅ローン控除の変更点①:住宅ローン控除区分追加と変更
令和4年から令和7年までの間に入居した場合の住宅借入金等の限度額」「控除率及び控除期間」が住宅の種類などに応じて下記の通りに変更となりました。
●令和4年~令和5年 入居
・認定長期優良住宅 (限度額:5,000万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・低炭素建築物 (限度額:5,000万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・低炭素建築物とみなされる特定建築物 (限度額:5,000万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・ZEH水準省エネ住宅 (限度額:4,500万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・省エネ基準適合住宅 (限度額:4,000万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・一般の新築住宅 (限度額:3,000万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
●令和6年~令和7年 入居
・認定長期優良住宅 (限度額:4,500万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・低炭素建築物 (限度額:4,500万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・低炭素建築物とみなされる特定建築物 (限度額:4,500万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・ZEH水準省エネ住宅 (限度額:3,500万円 / 控除率:0.7% / 控除期間:13年間)
・省エネ基準適合住宅 (限度額:3,000万円 / 控除率:0.7%/ 控除期間:13年間)
・一般の新築住宅 (限度額:0円又は2,000万円(注) / 控除率:0.7% / 控除期間:10年間)
(注)令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものは限度額2,000万円が適用されます。
住宅ローン控除の変更点②:住宅ローン控除適用対象の所得要件
住宅ローン控除適用対象の所得要件について、改正前は合計所得金額が3,000万円以下となりますが、令和4年から合計所得金額2,000万円以下へ引き下げられました。
住宅ローン控除の変更点③:新築住宅床面積40平方メートル以上の住宅の要件
住宅ローン控除適用対象の住宅床面積要件は50平方メートル以上とされていますが、
令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅の床面積要件が40平方メートル以上に緩和されました。
ただし、合計所得金額が1,000万円以下という所得制限があるため注意が必要になります。
2.非居住者である扶養親族の適用範囲の変更
令和5年1月から、扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族は、以下の要件を満たす人とされました。
① 年齢16歳以上30歳未満の人
② 年齢70歳以上の人
③ 年齢30歳以上70歳未満の人のうち、次のいずれかに該当する人
1) 留学により国内に住宅及び居所を有しなくなった者
2) 障害者
3) 扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者
3.退職手当を有する配偶者・扶養親族欄の追加
令和5年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書から「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」欄と「寡婦はひとり親」欄が追加されています。
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