
▶ 譲渡所得とは
譲渡所得とは、土地・建物などの不動産、株式・投資信託などの有価証券、ゴルフ会員権、機械・車両などの資産を「譲渡(売却・交換・贈与など)」したことによって生じる所得のことをいいます。
給与所得や事業所得とは別の所得区分として扱われ、その計算方法・税率も異なります。
譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 譲渡収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額
・譲渡収入金額 : 売買代金 + 固定資産税の精算金 + その他経済的利益
・取得費 :購入代金+購入時の諸費用(登記費用・仲介手数料など)(注)
・譲渡費用 :仲介手数料・測量費・建物取壊費用など売却に直接要した費用
(注)
取得費が不明な場合や実際の取得費が譲渡収入金額の5%未満の場合は、譲渡収入金額の5%を取得費とする「概算取得費」を使用できます。
▶ 所有期間による税率の違い(不動産の場合)
不動産の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間によって「短期」と「長期」に区分され、適用される税率が大きく異なります。
| 区分 | 短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 |
|---|---|---|
| 保有期間 | 5年以下 | 5年超 |
| 税率(所得税) | 30% | 15% |
| 税率(住民税) | 9% | 5% |
| 合計税率 | 39% | 20% |
※ 所有期間の判定は、譲渡した年の1月1日時点で5年超かどうかで行います(取得日並びに譲渡日当日は算入しません)。
▶ 株式・投資信託等の譲渡所得
株式や投資信託の譲渡益は「申告分離課税」となり、一律 約20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課されます。
◆ 損益通算と繰越控除
上場株式等の売却損は、同年の上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したもの)と損益通算が可能です。また、損失が残った場合は確定申告を行うことで翌年以降3年間の繰越控除が認められています。
◆ 特定口座(源泉徴収あり)の便利な活用
証券会社の「特定口座(源泉徴収あり)」を利用すると、原則として確定申告が不要となり、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれます。ただし損益通算や繰越控除を行う場合は確定申告が必要です。
▶ 居住用財産(マイホーム)の特例
自宅(居住用財産)を売却する場合、さまざまな税負担軽減の特例が設けられています。適用要件をしっかり確認することが節税のカギです。
| 特例の種類 | 控除・軽減内容 |
|---|---|
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | 譲渡益から最大3,000万円を控除 |
| 10年超所有軽減税率の特例 | 6,000万円以下部分は所得税10%・住民税4% |
| 買換え特例(居住用) | 一定要件で課税の繰延べが可能 |
| 相続財産の取得費加算 | 相続税額の一部を取得費に加算可能 |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 被相続人の居住用家屋の譲渡に適用 |
(注)
複数の特例は原則として重複適用できません。また、同一の特例は原則として3年に1度しか適用できないものもあります。適用前に必ずご確認ください。
▶ 3,000万円特別控除の主な適用要件
最も利用されるケースの多い居住用財産の3,000万円特別控除については、以下の要件を満たす必要があります。
- 現に居住している家屋(またはその家屋と敷地)を売却すること
- 居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 売却した年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと
- 買換え特例など他の特例との重複適用がないこと
- 売却相手が親子・配偶者・生計を同一にする親族等でないこと
▶ 確定申告の手続きと注意点
譲渡所得が生じた場合、原則として譲渡した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行う必要があります。特例を適用する場合も確定申告が必要です(特例の要件を満たしていても、申告しなければ適用されません)。
必要書類
・売買契約書(購入時・売却時の両方)
・仲介手数料などの領収書
・登記事項証明書
・住民票の写し(居住用財産の特例適用時)
・固定資産税の課税明細書
・(相続で取得した場合)相続税申告書・遺産分割協議書
◆ 申告漏れと加算税
不動産の売却情報は法務局から税務署に通知されるため、申告漏れは税務調査の対象となりやすい項目です。期限後申告や申告漏れには無申告加算税(最大20%)や延滞税が課されます。必ず期限内に正確な申告を行いましょう。
◆ 譲渡所得の税務は複雑です。お早めにご相談ください。
不動産の売却を検討中の方、相続した財産を処分する予定の方は、
売却前の早めのご相談が節税につながります。
荒川区の税理士 永瀬事務所までご連絡ください。
