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仮想通貨

仮想通貨ビットコインの2016年11月の世界での取引量が1億7,471万ビットコイン(円換算約15兆円強)となり、過去最高を記録しました。また、大手金融グループが2017年度に独自の仮想通貨を発行する計画をしているとの報道もなされました。仮想通貨は、本格的に暮らしに入り込むことになると思われます。

一方、2016年5月の改正資金決済法により、仮想通貨は決済手段として位置づけられましたが、法定の通貨ではないことも明確になりました。これを踏まえ、仮想通貨の取引の拡大を踏まえ、関係機関もそれぞれ制度整備に着手し始めました。

1. 仮想通貨と電子マネー
仮想通貨とは、代価の弁済のために不特定多数に対して使用でき、不特定多数を相手方として購入・売却できる財産的価値と定義されます。仮想通貨の代表的なものにはビットコインがありますが、仮想通貨とよく似たものに電子マネーがあります。電子マネーは貨幣を使わずに支払いを決済する手段であり、その決済は基本的にその地域で使われている通貨(日本であれば、円)で決済がなされます。仮想通貨は法定の通貨ではありませんが、例えば円を米ドルやユーロに両替するように、円をビットコイン等の仮想通貨に両替をして使用します。仮想通貨は法定通貨ではないものの“通貨”に準じたものであり、電子マネーは貨幣を使わない“決済システム”です。

国家や地域の信用に裏付けられた通貨と比較して、仮想通貨にはそのような裏付けがないため、一般的にリスクが高いと思われがちです。それにもかかわらず、仮想通貨を使用するメリットは何でしょうか?理由の一つとして、個人間で直接送金が可能なシステムであるため、世界中の取引相手とそれぞれの地域の通貨に両替せずにやり取りが可能であり、それゆえ、決済に関する手数料がかからないということが挙げられます。なお、冒頭に記載したビットコインの取引量の増加は、元安への警戒感から、他国への送金に制限のある中国の個人資産がビットコインに流入したとの見方があります。

2. 仮想通貨に関する会計・税務制度の対応状況
現時点で仮想通貨に関する具体的な会計基準は存在していないため、現行の会計基準にしたがった処理を適用することになります。2016年5月の改正資金決済法により、法定通貨ではなく、決済手段の一つと定義付けられたため、会計上は法定通貨とは異なる処理を行う必要があります。また、仮想通貨は金融商品会計基準における金融資産の範囲の何れにも該当しないと考えらます。しかし、金融商品に該当しないものであっても、仮想通貨は一定の価値を有するものであることから、現行の我が国の会計基準では棚卸資産として取り扱うことが考えられます。また、ビットコインのように通常取引ができる市場があり、日々取引レートが一般に公開されているような場合には、当該レートで時価評価を行うことが考えられます。

一方、税務面において、従前は、仮想通貨は商品券等の物品切手等には該当しないため、仮想通貨の譲渡に関して「モノ」の取引として消費税が課税されると考えられていました。しかし、2016年12月に公表された平成29年度税制大綱では、上記の改正資金決済法を受け、仮想通貨での取引は消費税を非課税とすることが明確に記載されました。

お見逃しなく!
仮想通貨は法的にも決済手段の一つとみなされることとなり、消費税についても通貨に準じて取扱う方向となりました。また、2016年11月に開催された企業会計基準基準委員会の諮問会議でも、「仮想通貨に係る会計処理の取扱いについて」が新たに取り上げるテーマとして、提案されています。このように、仮想通貨の取引拡大に伴い、各制度も対応が進んでいます。

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