新着情報

習近平政権下での日系企業への影響を考える

 今月は、新政権での政治シナリオや、日系企業を取り巻く経済環境などから、今後の日系企業の中国ビジネスにおける影響を考えて参ります。

1. 習近平政権の政治シナリオ

 習近平政権では、『集団指導体制』の下、各派閥の調和を取りながら政権安定に注力せざるを得ないため、特に政権前半は胡錦濤の取って来た政治方針を基本的に踏襲するものと見られます。そのため、これまで大幅な政治改革は避けて来られましたが、今後も何もしない(出来ない)可能性が高いと思われます。
 さらに、習近平の政権基盤は保守色の強い太子党や上海閥に大きく依存するため、胡錦濤政権の目玉政策だった格差是正を目指す『和諧主義』は、既得権益を守る立場と相反するため、影を潜める可能性があります。最近は、格差是正を目的に最低賃金の引き上げが進められたため、日系企業の間でも労働コストの上昇が大きな経営課題になってきましたが、こうした流れも緩やかになるものと期待されます。

2. 日系企業を取り巻く経済環境

 一方、所得水準の上昇による中国の内需消費力の拡大は鈍化する懸念があります。中国のGDP成長はもともと輸出依存が高い構造にあるため、欧州問題が長引いている現状も重なって、内需減速により中国市場のこれまでの2桁成長はしばらく低迷する可能性があります。

【経済指標の前年同月比推移】出所:中国経済景気月報

 2007年に次期首相候補の李克強が、経済成長を評価する際に、GDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行額の3つの指標を重視していると述べたことがあります(2012年5月15日英フィナンシャル・タイムズ紙)。これは中国トップが自らGDP統計の信頼性に疑念を表したということで話題になりましたが、左グラフをご覧頂きますと、GDP統計よりも実態経済はかなり悪化のスピードが速かったことが分かります。

お見逃しなく!

 習近平政権では、内需拡大の鈍化に、欧州問題の長期化による輸出減も重なって、中国経済は2桁成長から急速に減速感を強めています。また、これまでの和諧政策により割安な労働コストの魅力度は低下しています。中国という巨大市場を目指して進出した日系企業にとっては、中国を含むグローバル戦略の見直しが迫られています。

お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください。

0120-980-430

営業時間:9:00〜18:00
定休日:土曜・日曜・祝日

お問い合わせ
MENU