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重点管理富裕層に対する新たな調査・管理体制

2015年6月29日、国税庁長官は、東京・大阪・名古屋の3局長宛てに長官通達と、その別添「重点管理富裕層に係る管理・調査体制の事務運営要領」を発遣し、従来の「海外金融資産等保有者等に係る管理・調査体制について」に代えての実施を指示しました(TAINS:H270629課総4‐4)。

重点管理富裕層とは
「のれん」の減損が必要となる要因として、企業の価値や将来キャッシュ・フローが、買収時点の想定より減少しているという点があげられます。それでは、何故、買収時点の想定より企業の価値や将来キャッシュ・フローが減少するのでしょうか?
重点管理富裕層の管理対象者は、形式基準・実質基準いずれかの基準に該当する者となります。

①形式基準:見込保有資産総額が特に大きい者
≪重点名簿富裕層名簿より一部抜粋≫

保有資産総額
財産債務調書等 国外財産調書 会社四季報 マスコミ記事等 その他
推定額
(億円)
推定額
(億円)
推定額
(億円)
推定額
(億円)
推定額
(億円)

②実質基準
一定規模以上の資産を保有し、かつ、国際的租税回避行為その他の富裕層固有の問題が想定され、重点管理富裕層として特に指定する必要があると認められる者

管理対象者グループの範囲
管理対象者及びその関係者のうち、つぎに掲げる者は、重点管理富裕層名簿に登載して一体管理されることになります。
関連個人:管理対象者と特に密接な関係があると認められる者
基幹法人:管理対象者の主宰法人のうち、管理対象者グループの主体となる法人
関連法人:基幹法人以外の法人のうち、管理対象者又は関連個人と特に密接な関係があると認められる法人

管理方法
対象者ごとに、A区分(課税上の問題が想定され調査の着手が必要)・B区分(多額な保有資産の異動など継続的な注視が必要)・C区分(経過観察が相当)に判定され、各管理区分に基づき情報収集の集約や分析・調査の実施がなされます。

お見逃しなく!
 個人の情報は、ストックについては『国外財産調書』や2015年分確定申告から提出する『財産債務調書』、フローについては確定申告やマイナンバー制度による無申告の把握、そのほか国外送金等調書や租税条約等に基づく情報交換制度等によって収集されています。
重点管理富裕層の管理は、個人のみならず、管理対象者グループとして一体管理することによって、国内取引や国際的な租税回避行為・相続対策等の実施や兆候を、中長期的に個人課税・資産課税・法人課税等の税目別組織の中で横断的に把握することがネライです。

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