住宅ローン控除は税額控除であり、年末のローン残額の1%が所得税額より控除される。控除金額の上限は40万または20万。
夫婦でそれぞれが住宅の所有権を持ち、住宅ローンを組んだ場合、所有権の割合に比例して、二人とも住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を使う事ができます。場合によってはお得な利用方法になり得ますが、保証料その他諸費用のかかり方が変わる可能性があるので、お得に使えるとは限りません。夫婦それぞれがローンを組む場合と、片方だけの比較をすることが必要です。なにより、ローン、つまり借金を誰がするのか?というリスクの問題でもあるので、お得な場合もよく考えることをお勧めします。その上で、比較をお勧めするのは、次の様な場合です。
・控除金額が所得税から引ききれない時
例えば、夫の所得税から30万控除されるのと、夫婦それぞれから15万控除されるのでは、金額に違いはありません。しかし、30万円を控除するためには、控除される年間の所得税の合計が30万以上なくては、控除できないですよね?引き切れない分は、翌年の個人住民税から引かれますが、別途上限があります。上限以上は引かれないので、控除額が無駄になってしまう、とも言えます。この場合、夫婦それぞれから15万控除したほうがお得な可能性もありますね。年末残高の1%より、所得税等の額が少なくなる場合は比較をしてみると良いでしょう。
・個人住民税から引かれる上限
特定取得(消費税がかかる物件)の場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(136,500円を限度)
特定取得に当たらない場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円を限度)
・控除金額が上限を大きく超える時
控除金額は年末残高の1%ですが、上限(40万または20万)があるのは既に知っていますよね?この上限について、夫婦それぞれで控除を利用することで、各自上限までの控除を受ける事ができます。
例えば、夫一人でローンを組んで年末残高×1%が50万となり、上限によって控除額は40万円になったとします。この時夫婦それぞれがローンを組み、年末残高×1%が、夫30万、妻20万の場合、それぞれ上限内のため、合計50万円が控除される可能性があります。かなり高額なローンを組む場合や、特定取得で上限が20万円の場合など、年末残高の1%が上限(40万または20万)を大きく超える事が考えられる場合も、比較をお勧めします。
・夫婦で住宅ローンを利用する場合の注意点
夫婦で住宅ローン控除の利用を考える場合は、事前に金融機関に利用が可能か確認しましょう。
大前提としてローンを組めるのか?保証金など諸費用について確認する事はもちろん、夫婦で住宅ローンを組む場合、連帯債務、単独債務、収入合算といくつかのパターンがあり、どちらかだけしか住宅ローン控除を適用できない場合もあるため注意が必要です。
・夫婦で住宅ローン控除の利用を考えるとき
住宅ローン控除は夫婦で利用することもできます、お得な場合もありますが、それぞれの事情によるので、比較をして考えることが大事。夫婦での利用を考えている場合は事前に金融機関に確認しましょう。
・控除を受けるために必要な書類
最後に、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を実際に控除を受けるために必要な書類についてご説明します。
1年目に確定申告が必要、というのは説明しましたが、確定申告時はいくつかの添付書類が必要になります。新しい家に引越をして、荷物がめちゃくちゃになるその前に、後で何が必要か確認してから片付けましょう!