本年2月18日に、コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議より、「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」と題した第2回目の意見書が公表されました。
1. コーポレートガバナンス・コードとは何か
コーポレートガバナンス・コードは、金融庁および(株)東京証券取引所が設置する有識者会議により平成26年8月から議論が進められ、平成27年6月より導入された上場企業を前提とした望ましい企業統治体制の指針です。企業のステークホルダーに対する透明性を高めた企業経営の推進と、安定した企業成長や企業価値の向上を促すことを目的としており、ルール(細則)としての強制遵守を要請するのではなく、趣旨を理解した上で、各企業の個別事情を考慮した適切な体制を構築することを推奨するプリンシプル(原則)としての位置付けとなっています。
したがって、上場企業のみならず、中小企業から次のステップに進むステージにある企業にとっても、組織体制の構築の中で参考となる情報が含まれています。
2. 意見書に含まれる内容
今回公表された意見書は、コーポレートガバナンス・コード導入後に上場会社が開示した対応状況の情報を踏まえ、以下のような内容が含まれています。特に独立社外取締役の活用という論点は、コーポレート・ガバナンスのあらゆる局面で登場し、その活用の仕方次第で、今までの体制とは違う視点の経営を取り入れることが期待されます。
項目 | 取り組みの例 |
---|---|
CEO候補者の人材育成と選任 | ・次期CEOに求められる資質の社内での共有 ・候補者の検討に関する独立社外取締役の活用等 |
取締役会の構成と運営 | ・自社の成長分野の専門家や自社と異なる事業分野での経営経験者の選任 ・CEOと取締役会議長の分離 ・論点と問題意識が明確な議論を活性化する議長のリーダーシップの発揮等 |
独立社外取締役の活用 | ・エグゼクティブセッション(独立社外取締役のみの会合)の活用 ・社外取締役からの取締役会の議題提案 |
取締役会の実効性の評価 | ・各取締役の取締役会への貢献に関する自己評価 ・取締役会に設置された各種委員会の運営状況の評価 |
お見逃しなく!
東京証券取引所では、上場会社に対してコーポレート・ガバナンスに関する報告書の開示を依頼しています。各社の開示資料は、東京証券取引所ホームページのコーポレート・ガバナンス情報サービスのWebサイト(URL:https://www2.tse.or.jp/tseHpFront/CGK010010Action.do?Show=Show)から検索・閲覧することが可能です。